自閉スペクトラム症:療育の基本方針と目標
応用行動分析(ABA)とは? 療育期間 デメリット 対人関係発達指導法(RDI)とは? 親の関わり デメリット 感覚統合療法と関連療法...
- 応用行動分析(ABA)
- どのようなもの?
- 療育期間
- デメリット
- 対人関係発達指導法(RDI)
- どのようなもの?
- 親の関わり
- デメリット
- 感覚統合療法と関連療法
- どのように進めるのか
- 療育の目標とねらい
- 言語療法で目指す主な目標:
まずは慌てず、落ち着いて向き合いましょう!
自閉スペクトラム症(ASD)と診断されたお子さまは一人ひとり個性があり、言語聴覚士はすべてのお子さまに合わせて療育の手法や目標を個別に調整します。この記事では、かかりつけの小児科医などから提案される可能性のある一般的な療育方法と、それぞれの具体的な内容について分かりやすく解説します。
くり返しになりますが、言語聴覚士(SLP)はお子さま一人ひとりに合わせて療育をカスタマイズします。そのため、ここで紹介するすべてが提案されるわけではなく、お子さまによって重点を置く内容も異なります。ご質問がある場合や、ASDのお子さまたちがどのようにSpeech Blubsを活用しているか気になる方は、ぜひチェックしてみてください。また、詳細についてはお気軽にお問い合わせください!
この記事が、自閉症への理解を深め、療育への不安を少しでも軽くするきっかけになれば幸いです。
応用行動分析(ABA)
ABAは、ASDと診断されたお子さまに対して最も広く用いられている療育アプローチのひとつです。言語聴覚士の間では特に5歳未満のお子さまに対して高い効果を発揮することが知られていますが、それ以上の年齢のお子さまでも十分な成果が見られます。
どのようなもの?
ABAは、社会性、運動スキル、言語スキルの習得をサポートします。また、論理的思考力を伸ばし、かんしゃくなどの困った行動への対応にも役立ちます。セラピストは、お子さまとの遊びを通した活動の中でこれらの目標に取り組み、普段の生活環境の中で様子を観察します。困った行動が起こりやすい保育園や幼稚園、公園などの現場で観察が行われることもあります。
療育期間
療育期間はお子さまによって異なりますが、通常は非常に集中的に行われ、週に20〜40時間に及ぶこともあります。セラピストがいない時間でも一貫した関わりを続けられるよう、ご家庭で保護者の方とも協力しながら進めます。時間はかかりますが、保護者の方がセラピストの実践するアプローチを身につけることで、学んだスキルの定着が進み、お子さまのフラストレーションも軽減されます。
デメリット
デメリットとしては、費用が高額になりやすい点が挙げられます。1〜3歳のお子さまであれば、地域の早期療育・発達支援サービス等を利用できる場合があります。年齢が上がってそうした支援枠を外れた場合は、保険の適用範囲を確認したり、自費での負担を検討したりする必要があります。
https://www.youtube.com/watch?v=V9YDDpo9LWg
対人関係発達指導法(RDI)
RDIは、自閉スペクトラム症の療育アプローチとしては比較的新しいプログラムです。開発者らは特に幼少期のお子さまに最適だと考えていますが、年齢の高いお子さまでも確かな成長や進歩が確認されています。
どのようなもの?
RDIは、自分で柔軟に考える力や、他者と良好な人間関係を築く方法を学ぶことに重点を置いています。まずは、親御さんや先生など、日常的に深く関わる身近な人たちとの関係からスタートします。そこから次第に、お友だちや、日常でたまに接する人(お店の店員さんなど)へと対象を広げていきます。コミュニケーション能力や社会的な相互作用を大切にする点では、他のASD向け療育とも共通しています。
親の関わり
親御さん自身がRDIの考え方や具体的な関わり方を学ぶことが求められます。お子さまの成長には、保護者の方の関わりが何より重要です。日々の生活のあらゆる場面が貴重な学びのチャンスであり、時間や場所を問わず、さまざまなスキルや対処法を身につけていくことができます。
デメリット
RDIはASDの療育分野において比較的新しいため、有効性に関する大規模なデータがまだそれほど多くありません。ただし、開発者らによる複数の研究では、プログラムを継続的に実践したお子さまたちに確かな好ましい変化が見られたことが報告されています。
成果を出すためには、数多くの解説動画を視聴したり、研修やセミナーに参加したりして知識やスキルを学ぶ必要がある場合があります。また、RDI認定コンサルタントと定期的にやり取りを続ける必要があり、時間と費用の両面で負担が大きくなることがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=njaRuqGnvr0
感覚統合療法と関連療法
自閉スペクトラム症と診断されたお子さまの多くは、感覚情報の処理に難しさを抱えています。具体的には、音、光、肌触り、身体への接触などに対する過敏さや苦手さが見られます。多くのASDのお子さまにこうした傾向がある一方で、あまり見られないお子さまや、症状が非常に軽いお子さまもいます。
どのように進めるのか
感覚統合療法では、お子さまとセラピストが1対1の環境で取り組むことで、困った行動や感覚の過敏さが軽減することが研究で示されています。セラピストは、お子さまが過敏に反応してしまう特定の感覚に焦点を当てて支援を行います。
例えば、触覚に過敏さがあるお子さまの場合、セラピストは時間をかけて少しずつ刺激に慣れさせていきます。手をやさしく撫でてみたり、腕にさまざまな肌触りの布を当ててみたりしながら、そうした刺激に対する抵抗感を徐々に和らげていきます。
療育はお子さまが怖がったり不安を感じたりしないよう、遊びをベースにしたゲーム感覚で進められます。無理やり何かを強要されることはありませんが、着実なステップアップを目指して、お子さまが少し挑戦できるよう背中を押していきます。
セッション中には、身体の多動や落ち着きのなさを落ち着かせるために、回転椅子を回したり、プレイルームなどの遊具で体を動かしたりと、さまざまな工夫が取り入れられます。一般的な「お勉強」のような療育とは少し違って見えるかもしれませんが、ぜひ柔軟な気持ちで見守ってみてください。
療育の目標とねらい
療育のアプローチと同様に、設定される目標やねらいも、お子さまの能力レベルや特性の受け入れやすさ、そして担当するセラピストによって一人ひとり異なります。お子さまの療育において中心的な役割を担う専門家のひとりが、言語聴覚士(SLP)です。言語聴覚士は、保護者、地域社会、お友だち、そして学校などの教育機関と連携を取りながら、多角的な支援プログラムを作成し、社会性やコミュニケーション能力の向上をサポートします。
言語療法で目指す主な目標:
くり返しになりますが、すべてのお子さまが同じではありませんので、アプローチや目標、計画もそれぞれ異なります。信頼できる医療機関や専門家に相談し、Speech Blubsをダウンロードして、気になることがあればどんな小さなことでも遠慮なく質問してみてくださいね!
著者: Stacie Bennett