家庭で育てる子どもの言葉の理解力
現在、お子さまが幼稚園や保育園に通えていなかったり、近くで言語療法が受けられなかったりするかもしれませんが、だからといって言葉を育むアクティビティを諦める必要はありません。言語聴覚士として...
現在、お子さまが幼稚園や保育園に通えていなかったり、近くで言語療法が受けられなかったりするかもしれませんが、だからといって言葉を育むアクティビティを諦める必要はありません。言語聴覚士として、私はいつも「言葉の発達は、家庭で親主導で毎日行うもの」だとお伝えしています。ですから、園や学校がお休みの今の状況は、言葉の発達のマイルストーンを達成するための新しいアプローチを試す絶好のチャンスでもあるのです。
毎日の少しずつの積み重ねが、大きな力になります! 10分ほどの隙間時間で何か有意義なことをしたいと思ったら、ぜひ以下の楽しくて言葉豊かなアクティビティをチェックしてみてください。
これからご紹介する学習ゲームやアクティビティには、特別なものや高価なものは一切必要ありません。どれもお家にあるものだけで楽しめます!
画面ばかり見ていて、他のことをしてくれないとお困りですか?ご安心ください!Speech Blubsアプリを使えば、スクリーンタイムを有意義で前向きな時間に変え、言葉の発達を促すことができますよ。
言葉の発達を促す!お家でできる5つのアクティビティ
1. 宝探しゲーム
次のヒントが隠されている場所や物を説明したヒントを紙に5〜10枚書き、最後にはおやつやシールなど特別なごほうびを用意します。大人がヒントを読み上げ、子どもはそれを聞いて言葉を理解します。ヒントが隠されている場所を説明するときは、カテゴリー名、色、形容詞、物の役割を表す言葉などを使ってみましょう。お子さまの言語発達レベルに合わせて調整できるよう、難易度別のヒントの例をまとめました。
ヒントの出し方
かんたんレベル(キーワードを使う)
- ヒント1: きいろくて、おさるさんがすきな、くだもの(バナナ)
- 2: ねるときにつかう、おへやにある、かぐ(ベッド)
- 3: あたまにかぶる、おようふく(ぼうし)
ふつうレベル(位置を表す言葉を含めた短い文)
- ヒント1: サッカーをするときに足にはく靴のしたにかくれたよ(スニーカー)
- 2: キッチンにあって、お洋服をお洗濯してくれるきかいの中にかくれたよ(洗濯機)
- 3: 手をあらうときに使う、じゃ口のとなりにいるよ(洗面台・シンク)
むずかしいレベル(完全な文章)
少し抽象的なヒントにして、考える力をより引き出してみましょう。
- ヒント1: つめたくて、おなかがすいたときに開けるばしょにかくれたよ(冷蔵庫)
- 2: 四角くて、あかるくて、ボタンでお部屋をにぎやかにするもののうしろにいるよ(テレビ)
- 3: 白と黒で、あしでふむペダルがあって、きれいな音が出るもののしたをさがしてみてね(ピアノ)
2. ごっこ遊び・劇あそび
お子さまのお気に入りの絵本を選んで、劇のように演じてみましょう。大人がお話を読み上げ、子どもは言葉を聞いて理解しながら身体を動かして演じます。お子さまの言語レベルや興味に合わせて絵本を選んでください。劇の様子を動画に撮って、家族みんなで見返すのも楽しいですね。さらにステップアップしたアクティビティとして、お話の構成要素について教えてあげるのもおすすめです。
3. お料理
お子さまと一緒にキッチンに立ちましょう!料理のレシピには役立つ表現や新しい語彙がたくさん詰まっているので、言葉の発達にとても効果的です。始める前に、「半分」「泡立てる」「重さをはかる」など、レシピに出てくるキーワードをいくつかピックアップしてお子さまとお話ししてみましょう。本格的なお菓子作りでなくても、トーストにジャムを塗ったり、スムージーをミキサーで作ったり、手作りの小麦粉粘土作りでも十分です!

お子さまの年齢や言語レベルに合ったレシピを選ぶか、簡単な言葉に書き直したレシピを用意しましょう。大人が手順を読み上げて、子どもがそれを聞いて真似できるようにします。自分で読めるようにサポートしてあげてもよいですね。小さなイラストを添えると、より分かりやすい視覚的なレシピになります。
自分で作る簡単レシピの例:
- 食パンを2枚用意する
- トースターでキツネ色になるまで焼く
- 気をつけてトースターから取り出す
- バターナイフでバターをぬる
- スプーンでジャムをぬる
- 半分に切って、いただきます!
お料理を通して学べる、レベル別の語彙の例:
かんたんな言葉の例
- 名詞:こむぎこ、バター、たまご、ハム など
- 動詞:きる、まぜる、やく など
- 形容詞:あつい、つめたい、かたい、やわらかい
ふつうの言葉の例
- 名詞:おろし器、缶切り、めん棒 など
- 動詞:むく、する(すりおろす)、かき混ぜる、ゆでる など
- 形容詞:サクサク、あまい、からい、ポロポロ など
むずかしい言葉の例
- 名詞:ふるい、コンロ、フライ返し、ミキサー など
- 動詞:ふるう、オーブンで焼く、グリルする、かくはんする など
- 形容詞:なめらか、とろりとした、すっぱい、もちもち、ジューシー など
4. 体を動かすワークアウト
数字、運動の動き、方向を表す言葉、概念、道具を使って、指示を聞いて体を動かす練習をしてみましょう。体を動かすのが大好きな活発なお子さまに特に効果的です。言葉で指示を出しながら、実際にお手本を見せてあげると分かりやすくなります。家族みんなで取り組むアクティビティとしてもぴったりです。
ワークアウトの指示の例
- 星のジャンプ(ジャンピングジャック)を5回!
- すばやくケンケンを10回!
- お手玉を頭に乗せて10秒キープ!
- 右にサイドステップを4回!
- スキップ!
- ゆっくりスクワット!
5. 家族のしつもんクイズ
質問を理解する力を育てましょう。準備として、いくつかの質問を別々の紙に書き、箱や瓶に入れます。家族団らんの時間、お食事中、寝る前などに、みんなで箱から1枚ずつ引いてその質問に答えます。お子さまは質問をよく聞き、どのように答えるかを学ぶことができます。
家族全員が答えるのを聞くことは、言葉のお手本(モデリング)としても素晴らしい機会になります。「だれ」「なに」「どこ」「いつ」「どうやって」「なぜ」といった基本的な疑問詞を幅広く取り入れてみましょう。5歳未満のお子さまの場合は、まず最初の4つ(だれ・なに・どこ・いつ)に焦点を当て、慣れてから「どうやって」「なぜ」に進むのがおすすめです。
家族クイズの質問の例
- 一番すきな動物はなに?
- 行ってみたい夢の旅行先はどこ?
- 今日の気分はどう?
- 一番かっこいいスーパーヒーローはだれ?
- 外食で一番すきなお店はどこ?
- もし宝物をうめるとしたら、どこに隠す?
- 学校(園)がお休みで一番いいことと、一番いやなことはなに?
- どうしてリサイクルすることが大切なんだと思う?
これらのアクティビティから始めることで、幼児期の発達マイルストーンの達成に大きく近づくことができます。何より素晴らしいのは、これらを何度も繰り返したり、言葉の発達段階に合わせてアレンジしたりできる点です。小さな子どもたちは、楽しんでいるときこそ一番早く学ぶということを忘れないでくださいね!
著者: El Robertson