子どもの音楽と言語療法

音楽は、音の聞き分け(トランペットとフルートの音を区別するなど)から、順序立て、注意力、記憶、学習といった高度な認知機能まで、脳のさまざまな処理の仕組みを働かせます。これは…

音楽と言語療法

音楽は、音の聞き分け(トランペットとフルートの音を区別するなど)から、順序立て、注意力、記憶、学習といった高度な認知機能まで、脳のさまざまな処理の仕組みを働かせます。楽器の演奏を学んでいる場合は、なおさらです。

音楽の演奏には高い認知能力が求められるため、音楽家は長年にわたり脳の可塑性の研究対象とされてきました。また、音楽の知識が言語などほかの分野にも活かされるのではないかという興味深い可能性を探る研究も行われています。

言語療法に音楽は使えるの?

はい、使えます!言語療法のセッションで音楽を使うことに良い相関関係があることを示す研究が数多くあるため、多くの言語聴覚士が音楽の先生や音楽家と協力して、患者さんの治療計画を立てています。

セッションで2人のセラピストが協力する場合でも、言語聴覚士が1人で進める場合でも、子ども向けの音楽を言語療法に取り入れると、話すことや言葉に障害のある方に大きな効果をもたらすことがあります(The ASHA Leader、2012年、序論および「Where is Music Therapy Headed」の段落)。

https://www.youtube.com/watch?v=iS4LsXmZpHE

言葉を話さない子どもや自閉症の子どもに音楽をどう活用するか、こちらの動画をご覧ください。

言語療法と音楽療法には多くの共通点があります。The ASHA Leader では、音楽療法士と言語聴覚士が同じようなタイプの患者さんを多く担当していることが紹介されています。音楽療法士も言語聴覚士も、発達障害や聴覚障害のある方を支援しています。The ASHA Leaderに掲載されたASHAの記事「In Harmony」(2012年)では、さらに次のように述べられています。

研究によると、言葉と音楽には共通する神経ネットワークがあることが示されています。

出典:The ASHA Leader(2012年)の記事より、「音楽療法とは何か」の項

ただし、音楽療法がすべての人に合うわけではありません。患者さんによっては(脳卒中を経験した方など)、音楽が気を散らす原因になったり、ストレスに感じたりすることもあります。その人にとって効果があるかどうか、反応をよく見ることが大切です!

音楽の活用方法

子ども向けの音楽は、セッション中にさまざまな方法で活用できます。BGMとして流したり、歌に合わせて一緒に歌ってもらったり、語彙や文法の練習として子どもに自分で歌詞を作ってもらったりすることもできます。

多くのケースで、音楽は言語療法における患者さんのやる気や姿勢、成果を向上させてきました(The ASHA Leader、2012年)。音楽が何らかの気持ちや感情を呼び起こすことは、誰もが認めるところでしょう。大好きな曲を聴いたとき、あるいはラジオから本当に苦手な曲が流れてきたとき、自分がどうするかを思い浮かべてみてください。何かしらの反応が起こるはずです。

事例研究:子どもの歌と療法

私が読んだある事例研究では、さまざまな健康上の問題のために言語療法を受けていた、アレンという4歳の男の子が紹介されていました。アレンは年齢相応のコミュニケーションをとることができませんでした。その代わりに、身ぶりで人の注意を引いたり、何かをしてほしいと伝えたりしていました(Geist et al., 2008, p. 313)。

この論文によると、アレンは言葉や指示を理解するのが難しく、単語や文をはっきり伝えることができませんでした(Geist et al., 2008, p. 313)。また、同年代の子どもたちと一緒に活動に参加したり、コミュニケーションをとろうとしたりすることもありませんでした。

アレンは言語療法には取り組もうとせず、興味も示しませんでしたが、音楽療法のセッションで使われる音楽には興味を示したのです。

アレンの音楽療法の結果、音楽を強化子として用いることで、1対1の場面での社会的なやりとりが増えたことが示されました。

Geist et al., 2008, p. 313

つまり、コミュニケーションを身ぶりに頼らず、主に言葉を使うようになったということです!療法に音楽を取り入れるにつれて、以前の行動は減っていきました。

アレンの場合、言語療法と音楽療法の連携は成功しました。

まとめ

では、これらの研究やデータから何が言えるのでしょうか?

つまり、お子さんが音楽好きなら、療法のセッションに音楽を取り入れてみる価値は十分にあります。

通常の言語療法に退屈していたり、興味がなさそうだったりする場合は、次のセッションで音楽を流してみて、変化があるか確かめてみましょう!お子さんは一人ひとり違うので、同じ反応をするとは限りません。でも、音楽が効果的なら、ぜひ活用してください!

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