お子さんの集中力の持続時間は年齢相応?
さらに幅広い視点で見ると、定型発達の子どもの集中力の持続時間は、ADHDや自閉スペクトラム症の子どもとは大きく異なることがあります。このブログでは、子どもの集中力の持続時間について…
さらに幅広い視点で見ると、定型発達の子どもの集中力の持続時間は、ADHDや自閉スペクトラム症の子どもとは大きく異なることがあります。このブログでは、子どもの集中力の持続時間を取り上げ、子どもたちがどれほど一人ひとり違うのかを考えるヒントをお届けします。
この記事の内容
- 一般的な目安
- 年齢別の平均的な集中力の持続時間
- 子どもの集中力を伸ばすには
- 自閉スペクトラム症(ASD)と集中力
- ADDとADHD
- スクリーンタイム
- 焦らず見守りましょう
一方で、トロントのサニーブルック健康科学センターのラルフ・ルイス博士は、 「実は、過度に集中しすぎる人(集中力の『ベルカーブ』の右端にいる人)にも困りごとがあります。こだわりが強く、強迫的で、柔軟性に欠け、完璧主義になりやすく、全体像を見落としがちなのです」と述べています。
ですから、お子さんの今の姿を大切にし、その成長の道のりを楽しむことが大切です。
一般的な目安
専門家の間では、定型発達の子どもの平均的な集中力の持続時間を計算するための一般的な目安があります。お子さんの年齢1歳につき2〜5分を掛けるというものです。幅があるのは、繰り返しになりますが、子どもは一人ひとりみんな違うからです。
子どもの発達の専門家は一般的に、子どもに期待できる妥当な集中力の持続時間は、年齢1歳につき2〜3分程度だとしています。これは、定型発達の子どもが一つの課題に集中し続けられる時間の目安です。
年齢別の平均的な集中力の持続時間
年齢
集中力の持続時間
2歳
4〜10分
3歳
6〜15分
4歳
8〜20分
5歳
10〜25分
6歳
12〜30分
7歳
14〜35分
8歳
16〜40分
9歳
18〜45分
10歳
20〜50分
出典:レッドクレヨンイマジネーション
なお、発達研究者の中には上限を年齢1歳につき5分とする人もいます。つまり、2歳児なら一度に最大10分ほど課題に集中できる可能性があるということです。もちろん、これらはあくまで一般的な目安です。子どもが実際にどれくらい集中できるかは、主に次のような要因によって左右されます。
- 周囲の物音や気が散るものの多さ
- 空腹の度合いや食生活の乱れ
- 目的を持って取り組む力が生まれつきどの程度あるか
- どれくらいストレスを感じているか
- 子どもの疲れ具合や時間帯
- 子どもの全体的な健康状態(どこかが痛いと集中するのは難しいものです)
- 受け身のスクリーンタイムがどれくらいあったか
- 親とどれだけ充実した時間を過ごせているか
- 障害や疾患、うつ状態があるかどうか
- そして、その活動にどれだけ興味を持っているか
ただし、お子さんの集中力の持続時間が平均より短い場合は、対策を考える価値があります。
その方法の一つは、積極的に働きかけ、集中力を伸ばす活動にお子さんを誘うことです。いくつかの方法をご紹介します。
子どもの集中力を伸ばすには
お子さんの集中力を高めるのに役立つかもしれない、簡単な方法をいくつかご紹介します。
- 子どもの創造性を引き出す活動を取り入れる
- できるだけ課題を楽しいものにする
- 課題を子どもの興味のあることに結びつける
- ハンドスピナーなど、ほかのことに集中しながら手で触れるグッズ(フィジェットトイ)を試してみる
- こまめに声をかける。課題を小さなステップに分ける。ごほうびをあげる。
- 体を動かす短い休憩をはさむ
- 指示を出すときはそばにいる
- パズルや模型作りなど、集中力を養う活動をする
- 食事、水分補給、トイレを済ませておく
- 良い行動をほめる
- 助けを求めるべきタイミングを知る
自閉スペクトラム症(ASD)と集中力

ASDの子どもの多くは、定型発達の子どもよりも集中力の持続時間が短い傾向があります。教師である私にとって、これは授業計画を立てるうえで考慮すべき大切な情報です。集中するのが難しい子どもは、すぐに退屈してイライラしてしまいます。子どもが学校生活の毎日をそんなふうに過ごすべきではありません!イライラを抱えながら学ぶことは、教えた内容の理解や吸収、記憶の妨げになります。しかし、それだけでなく、もっと深い問題もあるのです。
自信や自己認識、意欲が、本来持てるはずのレベルより低くなってしまうのです。Autism Parenting Magazineによると、「自閉スペクトラム症の子どもや若者のうち、学校で幸せだと答えるのは半数に満たず、10人中5人は先生が自分をどう支えればよいかわかっていないと答えています」。私たちは子どもたちのために、もっと努力しなければなりません。まずは、ASDのお子さんの担任の先生に情報を伝え、学びの機会を最大限に生かしてもらうことです。そうすれば、先生はすべての子どもに役立つ授業計画を立てることができます。
ADDとADHD

注意欠陥障害(ADD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子どもは、集中力の持続時間が短いことに加え、衝動的になったり、ときには多動になったりする症状が組み合わさって現れます。ただし、ADHDの子どもがすべて多動というわけではありません。また、この生物学的な特性は、女の子よりも男の子に多く見られる傾向があります。
コロンビア大学の医師たちによるウェブサイトは、このテーマについてのすばらしい情報源です。そのページでは、この障害の定義、症状と3つのタイプ、多動性についての詳しい説明、診断と治療について紹介されています。ぜひ一度ご覧になることをおすすめします。
集中力の持続時間については、次のように述べられています。
小学生の子どもには、集中できないこと以外にも、次のような症状が見られることがあります。
- よく考えずに行動する
- 感情の起伏が激しい
- 宿題や本などの管理が苦手
- 計画を立てるのが苦手
- 宿題やお手伝いを最後までやり遂げられない
- すぐにイライラする
- 物を共有したり、順番を待ったり、人の話を聞いたりするのが難しい
- けがや事故が多い
- 適切な判断をするのが難しい
生まれつきどれくらい集中できるか、そしてそうした意欲をどれだけ持続できるかは、人によって異なります。ほかのあらゆる特性と同じように、集中力の持続時間にも一般の人々の間で幅があります。生まれつき集中力が長く続く人もいれば、短い人もいるのです。多くの特性と同様に、これは遺伝子によって部分的に決まります。この問題の生物学的な側面は非常に興味深く、今後さらに注目すべき成長中の研究分野です。
スクリーンタイム
Slateの最近の記事では、ユニセフの「乳幼児にとってのスクリーンタイムの悪影響は、集中力の持続時間の短縮から共感力の低下にまで及ぶ」という言葉が紹介されています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックとそれに伴うスクリーン使用の増加もあり、この分野の研究は急速に進んでいます。子どもの集中力を伸ばす方法については今後も注目し、随時情報を更新していきます。
焦らず見守りましょう
保護者のみなさん、焦らずに見守っていきましょう。この時期のお子さんをどうサポートすればよいか、ヒントをくれる情報はオンラインにたくさんあります。より早くアドバイスが必要な場合は、言語聴覚士に相談することも忘れないでくださいね!
著者: Robert McKenzie