「ちゃんと言葉で言って」と言ってはいけない理由

おうちでできる幼児向けの言語療法アクティビティ

talking-with-daughter.jpg

おうちでできる幼児向けの言語療法アクティビティ

ケイシー・ウィッカーソン(Kacy Wickerson)さんは、ASHA認定言語聴覚士です。保護者の方々が子どものコミュニケーション能力と園や教室での自信を育むサポートをしています。また、何百人もの親御さんに言葉の発達の仕組みやその大切さ、そして家庭で子どものコミュニケーション能力を伸ばすために親がどう積極的に関われるかを伝えてきました。Speech Blubsは、彼女がおうちでの言語療法を実践する上で最高のパートナーだと考えています。

「ちゃんと言葉で言って」と言ってはいけない理由

https://www.youtube.com/watch?v=SY6SdOKU2lE

今回の動画では、言葉が出にくいお子さんとのコミュニケーションの改善について取り上げます。言葉の発達がゆっくりなお子さんに限らず、多くの子どもたちは思い通りにいかないとイライラして癇癪を起こしたりします。その瞬間に適切な言葉を見つけて声に出すことが難しいため、手が出てしまうなど身体的な行動をとってしまうのです。これまでは、子どもに落ち着いて何が嫌だったのかを考えさせ、手を出さずに言葉で気持ちを表現させようと「言葉で言ってごらん」と声をかけることが一般的でした。しかしケイシーさんは、「言葉で言って」と伝えることは「子どもにコミュニケーションをとらせる方法として、必ずしも最も効果的とは言えません」と述べています。

この言葉が必ずしも効果的ではない理由

ケイシーさんは、このフレーズが常に効果的とは言えない2つの理由と、代わりに言葉を引き出すために何ができるかを詳しく解説しています。彼女はこう問いかけます。「あなたが『言葉で言って』と一番言ってしまうのはどんな場面ですか? 私がよく耳にするのは、主に次の3つの状況です:1)かんしゃくを起こしているとき、2)何かをおねだり・要求しているとき、3)イライラしているときです」。しかし彼女は、「私たちは子どもがパニックになったり取り乱しているときに『言葉で言って』と言いがちですが、すでに言葉に難しさを抱えている子どもたちにとって、これはとても酷な『無理難題』になり得ます」と説明します。

コミュニケーションを学ぶことの一部は、子ども自身が伝えようとしているその社会的な状況に対処する方法を学ぶことでもあります。これは子どもにとって、ほぼ常にストレスのかかる状況です。ケイシーさんは、もと言葉の発達がゆっくりなお子さんにとって、そのストレスはさらに大きなものになると言います。「知っている言葉が少なかったり語彙が限られていたりするため、『言葉で言って』と言われても、何をどうすればいいのか曖昧な指示になってしまうのです」。

子どもたちは感情のコントロールや理解(EQ)がまだ十分に発達していません。そのためケイシーさんは次のようにアドバイスしています。「1. まず、子どもに使ってほしい言葉を大人がお手本として見せてあげましょう(モデリング)。『あぁ、悲しい気持ちなんだね』といったように、できるだけシンプルに伝えてあげてください」。

ケイシーさんは続けてこう説明します。「大切なのは、気持ちを伝えるためや問題を解決するために言葉を使うのだ、ということを子ども自身に少しずつ実感させていくことです」。

2つ目の解決策は、「大人がお手本として見せた言葉の使い方を教え、それを真似(模倣)させること」です。

Speech Blubsアプリ

Speech Blubsは、子どもたちが自信を持って話せるようになるための挑戦を後押しする、目的を持ったアクティビティを提供しています。またケイシーさんは、「何か問題が起きたとき、大人がすぐに割り込んで解決してしまうのではなく、問題解決に向けたやり取りに子ども自身を参加させることが大切です」と勧めています。

彼女はこれが重要な理由を2つ挙げています。「1つ目は、大人がお手本で見せた言葉を学び、実際に使い、練習できること。そして2つ目は、自己主張・自己権利擁護のスキル(セルフアドボカシー)が身につくことです。子どもが成長していく中で、親がいつもそばにいてあげられるわけではありません。だからこそ、自分の基本的な欲求や必要なことをしっかりと伝えられるコミュニケーション能力を身につけさせてあげることが絶対に欠かせないのです」。

ケイシーさんによるこの動画シリーズの第3弾もぜひお楽しみに!子どものコミュニケーションを促すためのさらなる実践的ヒントをお届けします。ケイシーさん、ありがとうございました!

記事一覧に戻る