自閉症の子どものためのディーププレッシャーセラピーとは?
感覚過敏や自閉症のあるお子さまの癇癪(メルトダウン)を和らげ、気持ちを落ち着かせるために「ディーププレッシャー刺激」が用いられます。
癇癪(メルトダウン)を和らげ、感覚過敏などの感覚に関する困りごとや自閉症を抱えるお子さまを落ち着かせるために、ディーププレッシャー刺激が活用されています。
ディーププレッシャー刺激は「深部圧刺激(ディープタッチ刺激)」とも呼ばれます。体に優しくもしっかりとした圧力を加えることで、神経系をリラックスさせるアプローチです。ぎゅーっと力強く抱きしめられた時のような感覚をイメージしてみてください。お子さまの体に深い圧刺激が加わると、体は「闘争・逃走(パニック)」モードから「休息と落ち着き」の状態へと切り替わります。
ディーププレッシャー刺激によって穏やかで落ち着いた状態になると、お子さまの神経系や体全体に素晴らしい変化が現れ始めます。
深部圧刺激(ディープタッチ)には以下のような効果があります:
- 心拍数を落ち着かせる
- 筋肉の緊張をほぐす
- 血行を促進する
- 脳からエンドルフィンが分泌される
- 神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンが分泌される
研究によると、ディーププレッシャーセラピーによってセロトニン値が28%、ドーパミン値が31%増加し、コルチゾール値が31%減少したことがわかっています。「幸せホルモン」が増えて「ストレスホルモン」が減るため、気分が前向きになり不安が軽減されます。お子さまが癇癪(メルトダウン)を起こしている時、ディーププレッシャー刺激は大きな助けになります。

睡眠の悩みに対するディーププレッシャー刺激
自閉症のよくある悩みのひとつが睡眠トラブルです。自閉症のお子さまは、同年代の子どもたちに比べて睡眠に関する問題を抱える割合が高い傾向があります。
自閉症に関連する一般的な睡眠トラブルには、次のようなものがあります:
- 寝つきが悪い(入眠困難)
- 不眠症
- 夜驚症や夢遊病
- むずむず脚症候群(RLS)
睡眠に関する悩みは上記の4つ以外にもたくさんありますが、この4つはディーププレッシャー刺激によって軽減または解消される可能性があります。加重ブランケット(ウェイトブランケット)や圧迫シーツなどのディーププレッシャー製品は、自閉症のお子さまがより早く眠りにつき、深く安らかな眠りを維持するのをサポートしてくれます。
加重ブランケットなどのディーププレッシャー刺激は、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑え、メラトニンの分泌を促します。これにより、就寝時によりスムーズに眠りにつくことができ、夜通し圧刺激を受け続けることで夜中に目を覚ます回数も減らすことができます。
ディーププレッシャー刺激を取り入れるタイミング
正直なところ、いつ取り入れても大丈夫です! お子さまはすでに作業療法士(OT)によるセッションでディーププレッシャー刺激のエクササイズを行っているかもしれません。しかし、ご家庭でも次のような目的で深部圧刺激を取り入れることができます:
- 不安を和らげる
- 過度の興奮レベルを落ち着かせる
- コルチゾール(ストレスホルモン)の数値を下げる
- 身体感覚(固有受容覚)を高める
- 感覚過敏を軽減する
お子さまが癇癪(メルトダウン)を起こしていて今すぐ落ち着かせる必要がある時はいつでも活用できますが、この療法は感覚刺激への過剰反応そのものを予防・軽減するのにも役立ちます。ディーププレッシャー刺激は、子どもが自分自身で行えるセルフ鎮静法でもあります。ただし、パニックになりそうな時にどんな活動をすればよいのか、最初は親御さんが優しく教えてあげる必要があるかもしれません。

おうちでできるディーププレッシャー刺激のアクティビティ
- 四つん這いハイハイ
- ほふく前進
- クマ歩き(手と足の裏を床につけてお尻を高く上げて歩く)
- バランスボールの上で跳ねる、またはうつ伏せで乗る
- クラッシュパッド(思い切り飛び込める特大のクッションマット)
- 前転(でんぐり返し)
- 側転
- プレイトンネルくぐり
- 加重グッズ(加重ブランケット、重みのあるぬいぐるみ、ラップパッド、アンクルウェイトなど)
- ストレスボールを握る
- トレーニングチューブ(レジスタンスバンド)を引っ張る
- トランポリンで跳ぶ
- ディーププレッシャーマッサージ(しっかり圧をかけるマッサージ)
- コンプレッションウェア(加圧インナー)
- 重いものを運ぶお手伝い(掃除機をかける、雑巾がけをする、買い物袋を持つなど)
- 片足跳び(ホッピング)
- 縄跳び
- 壁押し腕立て伏せ
- ボディソックス(伸縮性のある布サック)に入る
- ボールプールで遊ぶ
今すぐ始めてみましょう!
もしご家庭でお子さまにディーププレッシャー刺激をまだ試したことがないなら、ぜひ始めてみてください! 私は自閉症の息子にディーププレッシャー刺激を取り入れ始めましたが、劇的な変化を感じています。息子は言葉を話さず(ノンバーバル)、不安やパニックになった時に自分でどうすればいいかを完全には理解できていませんが、ディーププレッシャーグッズやアクティビティを用意してあげるだけで、すっと落ち着いてくれます。
わが家ではこのようにディーププレッシャー刺激を取り入れています。息子の不安が高まってきたと感じたらすぐに、次のような刺激が得られるアイテムへと注意を向けさせます:

- 家庭用トランポリン
- クラッシュパッド(掛け布団カバーに余っている枕をたくさん詰め込めば、思い切り飛び込めるふかふかの手作りパッドが完成します)
- 加重ブランケット
- ボールプール
- バランスボール
上記のディープタッチアイテムを使うと、息子の癇癪はほんの数分で落ち着きます! わが家の定番で息子のお気に入りは、ディーププレッシャー刺激を与えてくれる加重ブランケットです。息子の注意をディーププレッシャー刺激のアクティビティへと切り替えるこの方法は、感覚過敏による癇癪を落ち着かせる上で間違いなく一番効果がありました。
著者: Liz Talton